3月30日(日曜日)、国立商協ビルで行われたi-CAN(いきいき市民共同ネット)の月例会があり、三角屋根の会も資料・模型持参で参加しました。ゲストの方々を含め30名ほどの参加がありました。以下、その報告です。
第一部 i-CANの活動報告
紙面(画面)の都合により省略いたします。
第二部「国立駅周辺のまちづくり構想」
4名(グループ)の方々の発表がありました(敬称略)。
◎是松さん(国立市役所まちづくり推進担当)
1.中央線連続立体交差事業の概要
東側工区
平成15年秋口上り線を仮線へ切り替え予定 平成20年 すべて完了
西側工区(国立駅も含まれます)
平成14年度用地買収完了 平成15年6月(もうすぐです)から仮線工事開始
工事期間 約3年間 平成18年度 高架橋工事開始 平成22年度 すべて完了
総事業費1,720億円のうち、沿線6市負担計216億円、うち国立市53億円負担。
2.駅周辺の影響
- 国立駅は現在土盛りであるが、これを取り除き高架とする。
- このための工事ヤードが必要なこと、および駅機能が高架の下に移ることからJRとしては現在の駅舎の取り壊しを予定している。
- 同様に北口の駅建物も取り壊され更地になる予定。
- 行政としては三角屋根の駅舎を高架事業の中で残す手立てはないか都、JRに訴え、駅舎をのこしながら周辺をどう整備していくかが街づくりの課題であると考えている。
- このほか引込み線や高架下の利用(高架下の敷地のうち15%の3,000㎡は国立市が無償で利用できる)、南北交通のありかたについても検討が必要。
3.課題・方向性
- 国立市総合基本計画第三期基本構想第2次基本計画(平成17年度まで。駅周辺を文教都市国立に相応しい拠点にとの答申)、および都市計画マスタープラン(2003年3月策定、20年後を見据えた街づくりの指針。駅舎の保存活用もうたわれている)に沿って整備していく。
- 関係各方面と連携し、自転車問題、交通渋滞の解決なども目指して駅周辺の整備を駅舎の保存活用と共にすすめたい。その方針は,今も変わりない。
- 連続立体交差事業のうち、国立市の事業部分は2.1キロ、そのうち4箇所踏み切りの廃止、2箇所都計画道路の完成が計画されている。
- 国分寺市のマスタープランは2000年に策定され、その中で国立駅北口についても触れられている(国分寺市との連携)。
- 国分寺市から。国立駅の利用は、国分寺市民も多い。市民の声を聞き、特に北口の整備、駅舎保存活用の手法にもその声が反映されるようにして行きたい。
◎砂原さん(国立市商協)
高架化で南北交通がスムーズになったとしても、単なる通過交通になってしまう心配がある。歩きたくなる町をつくりたい。緑に溢れた国立の町が魅力。
街を楽しくすること、具体的には
- 大学通りの緑地帯をもっと自然豊かに。緑地帯は富士見台まで連続させ、緑地全体をガーデニング化する。その参加には、各界各層からの人達が参加して。
- 歩道に駐輪している自転車は撤去する。
- 駅舎はJRのものであると同時に、利用する市民ものでもある。国立のシンボルで、2つと無いもの。この国立の特徴を活用するため、皆で一緒に考えて行くことが大切。
- 街を守っていくのは市民、商人の役割。円形公園にチューリップを植えた。良いと思った事には挑戦しよう。まずやってみて、問題があったら解決していけばいい。町づくりにはそういう気持ちが大切。
◎鈴木さん(商工会)
- 国立のまちとしては南北交通が大きな課題だと思っている。
- 商工会として、フォーラムを開くなど,駅周辺の整備の手法をさぐって力を注いでいる。
- 2002年のフォーラムで出たまちの問題点とまちづくりの課題(駐車場、駐輪場、歩行者、一方通行化、小公園、消費者ニーズ、魅力ある商店について、等)について駅周辺のまちづくりを考える「国立駅周辺地区まちづくり推進機関」の準備会を商工会の内部組織として設置した。ここから、市に働きかけて行きたい。
- 熱意は人一倍あるので、ぜひ駅周辺の活性化に力を注ぎたい。これからもご協力をおねがいします。
◎赤い三角屋根の会
中町さんよりテンションの高い発表。まず三角屋根の活動状況について。
- 平成14年12月 円形広場でクリスマスコンサート開催。
- 保存の会ではない。駅周辺の色々な問題も含めて、高架事業をまちづくりのいい契機にしたい。三角屋根とまちの未来を考えていきたい。
- コンサート後は財政が苦しい。
次に駅周辺模型バージョン2(能村、中町が寝ないで作った)を前に、今まで色々な活動の中から聞いた市民の声、駅キーワードを形にするとどうなるか、視覚に訴えながら説明しました。
- まず高架になると線路が9メートルの高さになる(現在より約5メートル高い)。ずいぶん高くなるねという声が。
- 駅舎がなくなると、ほら、どこの駅か区別がつきますか?
- じゃあ、駅舎を今の形のまま2倍にすると?とても大きく見える。
- ファサードだけスライスしてくっつけちゃえ、という意見もある(実際にスライスした表面だけ模型にくっつけると、みんなから笑いが)。
- 駅ビルにすると?駅ビルのような箱型のものをかぶせてみた。とても大きい。駅周辺との調和は?
- 駅舎は都心から帰ってきた人には安らぎを与えてくれるという意見もある。
- 円形公園に持っていく案、谷保駅に持って行く案も。
色々出るけれど、やはり、この駅がないと駅周辺はどこにでもある町の駅前になってしまいそうだ。
- 例えば高架駅の南北通路(ラチ外通路)の高架の柱の間隔(10メートル)を一箇所だけ20メートルにすると、ほら、こんなに南と北がつながる。
- 南北にグリーンベルトを通して緑の道でつなげる案もできる。
- 緑をもっとふやして、駅周辺を公園に。樹を植えたらもっとよくなる。
- いま与えられている条件のもとでも、工夫すればこんなによくなる。たとえば、ホームから駅舎と大学通りを見ながらお茶を飲めれば素敵では?
- JRに行っても、お金の問題と言われるが、活用をどうするか議論がしっかりされた上で、お金の問題も色々な工夫ができるはず。
- 最後に、i-CAN の今日のような機会ができて感謝している。
参加者の方々には模型の周りに集まって熱心に見ていただけました。実際に形になったものを目にすると、説得力が違います。
◎ 懇親会の席で
- 国立市は南地区も大きく変わりつつあって(石田大橋という多摩川を渡る橋ができ、甲州街道のバイパスもできつつある)駅周辺も含め、市の守備範囲がとても広くなっているが、会のサポートはできるだけしていきたい。
- i-canの方より、文化を守ってくださいという激励。
- 駅舎は図書館として活用し、芝生やロッキングチェアーにすわり、コーヒーを飲みながら本を読めればいいのでは。
- 北口マンションのため、近隣国分寺市の住民が見えていた富士山が見えなくなった。
- 駅モデルを欲しいという方。
- 残したいというベクトルがいっしょなのはみんな同じだ。でも立場が違えば、方法が違ってくる。北口と南口をつなぐグリーンベルトの案や、駅周辺の公園化案は、とても素晴らしい。
- 駅前の車の量を減らしたい、というのは一致した意見。旭通り、富士見通りの一方通行化の検討も。
以上