words : 斎藤
5月22日、東京ビッグサイトで開催された「駅、まちづくりフェア」での 清水先生の武蔵境新駅に関する事例報告です。
「住民の声を活かした、地域の駅作りへの提案」
千葉大学工学部デザイン工学科教授 清水忠男先生
●駅とは駅舎だけでなく、もっと広い範囲をさす
●10年前、中央線高架化事業が都市計画事業として承認される
⇒武蔵野市長は、高架後の武蔵境新駅の誕生を考慮し、
市長、市担当者、学識経験者などによる懇願会を開催
⇒平成8年駅場協設置
(注(齋藤):正式名称未確認、駅・駅前広場検討協議会かな?)
駅場協は市民を含めて現在参加者120名
⇒平成9年市民より新駅のプランを募集(作文でも、絵でもよし)
⇒185点(子供から大人まで)⇒そこからキーワード探しをした
●武蔵境駅のキーワード
※これまでの武蔵境駅同様の開放感
(駅周辺に農林試験場跡地(?)などの広い緑の多い空き地が点在)
中央線沿線でどの駅が好きかアンケート第1位は御茶ノ水駅(理由は開放性と緑)
※武蔵境のイメージである緑と水のイメージ
※市民の交流の場
※障害のない環境(日赤病院へむかう乗降客、エレベーターもエスカレーターもない現況駅)
●駅場協で新駅への要望をまとめた
開放感
緑と水
福祉のモデル駅
雨にぬれずに駅へいけるような回廊
高架下駐輪場
●駅場協で駅に対する要望がまとまる頃、
JRはエレベーター設置や改札新設などの地元負担を求めていた
●住民は地域住民の意見を取り入れた新駅建設を求めて署名活動
⇒41000人を集め、市、都、JR、西武鉄道へ
⇒個別協議に難色を示していた行政、企業に変化
例えば、西側改札への要望がある
⇒この程度の規模の駅だと改札は一つと決まっているとの回答
⇒それならば将来乗降客が増加した時に改札を新設できるような
構造にしておいて欲しいと要望
●駅場協の活動
※まちづくりシンポジウムの開催
※ふれあい花壇の設置(駅周辺)
※バザーによる市民募金の収集(駅への市民の思いを反映する方法として、
市民からもお金を出すよ、という意思を伝える)
※メンバーから寄付金
●企業の変化
(1)西武鉄道の設計担当が、駅場協に参加
(武蔵境駅はJRと西武がのり入れ、各企業でそれぞれの駅務(?)を担当する。)
曲面性、透明性をとりいれた駅舎作りへ意欲
(2)JRは土木担当が参加していたものの、あまり市民のほうへ
参加する姿勢見せず⇒ところが昨年暮、JRより提示された新駅案は
駅場協がJRへ提案した案とほぼ同じ。さらに無理だと諦めていた部分が
バージョンアップされて採用されていた(コンコースの透明性、
西武とJRの各駅務の統一性、緑を配置した回廊と立面、武蔵境の
緑を象徴するシンボルゲートの配置、樹木をイメージした構造体の利用など)
⇒駅場協は大いに感激、うれしかった
(3)仮駅舎が完成
今まで無かったバリアフリー施設の採用(エスカレーター、エレベーターなど)
●武蔵境駅プラン作成までの良かった点
武蔵野市が企業と市民の間に入り、市民の意見を吸い上げ、企業に伝え、
また企業の意見を市民につたえるという、キャッチボール、ピンポンが
非常に上手く行った点。
●駅作りとは
駅から駅前広場につながり、それはまちづくりへつながる。駅から
町づくりの視点がうまれる。
一つの駅を作るのは相反する多くの問題を解決する長い道程を経る事業なのだ。
●今後の取組み
緑の保全、駅を使ったイベントなど
以上
文責 齋藤
(June 3, 2003)